原始時代に一人の人間が岩を指差し、誰かこれを持ち上げろと言った。
持ち上げられればマンモスの生肉が食べられる。持ち上げられなければ頭を棍棒で殴られる。
世界最初のパワーリフティング大会はそうしたものだったかもしれない。さらに、それは今もあまり変わってないと言えるかもしれない。
私が今やっているパワーリフティングという競技について私なりに記述してみました。
パワーリフティングという競技があります
地球上の競技の中で生身の人間が最も重たいものを動かす競技です。
ウエートトレーニングの代表的な3種目 スクワット ベンチプレス デッドリフトの合計重量を競います。細かく言うと1種目3回づつ行います。
ただ持ちあげればいいのではなく、基準が存在し、基準を満たさないと失敗とされます。
1種目で3回失敗すると失格です。
これらの種目は人間の基本的な動作「立つ 押す 引く」から成り立っています
専門的に言うと多関節種目なので若干コツはいりますが原則「立つ押す引く」なので難しくありません。
オリンピック競技にもなっていませんし、ウエイトリフティングと混同されがちです。
ウエイトリフティングは相応の技術と力が必要です
しかしパワーリフティングは
体育館で鍛えてる人でも競技種目のやり方とルールを知っていれば競技に参加できます。
また複雑な動きを必要とせず、練習は基本的なウエイトトレーニングを重ねれば良いので生涯続けることが可能です。
事実、60歳の男性が200Kgのバーベルを担いでしゃがんで立つことができるのです。
老いたら体力が落ちると言うのは半分嘘です
Use it,Lose it(使わなければ失われる)
人生は常に使うか使わないか(失う)の選択の連続である
世の中便利にはなりましたが便利さゆえに楽をしすぎて大事なものを失っているかもしれません
「いつのまにか私達は幸せと快適さを混同してしまっていたようだ」
ディーン・カーナゼス
★なにがいいの?
ウエイトトレーニングをする事で筋力の強化による怪我の防止、ホルモンの分泌増、骨の強化による骨粗しょう症の防止、体力増進、精力増進、引き締まり結果痩せた・・・・さまざまな効果があります。
また、運動を始めたら仕事への考え方や集中力が高まったという人もいます。
良く「筋肉をつけたくないからウエイトトレーニングはしたくない」という人がいますがボディビルダー達が発達した筋肉にどの程度の時間と労力とお金を使っていることか・・・・
安心してください。がんばっても筋肉はそんなにすぐつきません。彼らは途方もない時間をトレーニングに費やし、一般の人が考えられないくらい食事に気を使っています
一般的に言う「我慢」であの肉体は構成されているといっても過言ではありません
その覚悟があるならばできます。できますか?
ウエイトトレーニングはむしろあなたに健康な体による生活と心地よい刺激を与えてくれます
女性の方もそうです。女性はいくらやりこんでも巨大な筋肉は作られにくくなっています
基本、男性は男性らしく、女性は女性らしい体つきに変化をしていきます。
★で、パワーリフティングが?
そんな効果を持つウエイトトレーニングですがなかなか続かない・・・・もくもくと鍛えるのはつまらないという事になりがちです
そう、目標であったり動機付けが必要です
その中の一環として
パワーリフティング3種目の記録
を材料とすることができます。誰でも漸進性の原則(徐々に強度を上げていくこと)に則りエクササイズを続けていけば筋力は上がり、扱う重量が上がっていきます
なんの為に?人によってさまざまな目的がありますが例えば体脂肪率を15%にしたい。運動を継続していれば達成できます
達成してしまったら?
同じ目標でもいいですが長い人生、様々な目標設定があってもいいでしょう
そしてなにより人間は誰でも力持ちに憧れます。力持ちになりたくないですか?
そんな中選択肢として、簡単にチャレンジできるパワーリフティングがあるのです。
★道具いらないの?
パワーリフティングにはふたつの競技区分があります
ひとつはノーギアと言われる「パワーリフティングギア」と呼ばれる小物道具類を使わない区分 もうひとつフルギアと言われるパワーリフティングギアを使う区分です
このギアですが元々は(今もそうですが)重たい重量を扱う際、靭帯や関節の保護に用いられるものでしたが今は反発などを利用して通常よりもより重たい重量を挙げるために使われています。
現在はノーギアパワーリフティング(クラシック競技と呼ばれている。)が主流となっています。
フルギアはインチキ?と思うかもしれません
スポーツは「ルールのある戦いです」ルールの中で定められているわけですからインチキではありません 当たり前ですがギアを使っても自力がなければコントロールできませんから決して扱うことはできません
イチローと同じバット使っても我々は10年連続200本安打打てません
道具も使う人間次第
機械でも使うなら別ですがあくまで生身の人間がで競う中では一番重たい物質を扱う競技です
ちなみに世界記録などありますが、世界は広いので競技に参加していなくても凄い人はいるかもしれません。十分にありえる話です。
★どんな練習すればいいの?
競技で使う3種目に沿ってメニューを組む事が多いです。
また、体重制の競技ですのでボディビルダーのように筋肉量を増やすようなトレーニングはあまりしません。ここは人によって違います。
ただ常に競技のよう自分の限界の重さを扱うわけではありません
怪我の危険もあるので試合2ヶ月前まではセオリーどおりの筋力UPの為のメニューを組みます。
試合に出ているリフターは試合にあわせてサイクルトレーニングを行います。
試合2ヶ月~1ヶ月前になったらピーキングと言って試合向けの練習を行います
ここでは徐々に競技種目の最大重量を1回で行っていき、前述のギアの調整を行いながら試合で行う重量まで持っていき本番を迎えます。
多くのリフターはピーキング前は少し体重をプラスにしておいてピーキング時期に少し減量して試合に臨む人が多いようです。
例:通常時
月 スクワット 火 ベンチプレス(高重量低レップ) 木 デッドリフト 金 ベンチプレス(低重量高レップ)
スクワット 補助種目として レッグカール レッグエクステンション カーフレイズ ベンチプレス 補助種目として ダンベルプレス フロントプレス ディップス デッドリフト 補助種目 ラットプルダウン ケーブルロウイング
もちろん 腹筋としてクランチなどは行う
トップリフターはもっとたくさんするかも知れませんが一般的にはこんなところでしょう
★テクニック
ボディビルダーのトレーニングと決定的に違うのは
ビルダーはいかに効率よく追い込むか、筋肉量を増やすか リフターはいかに効率よく楽をして挙上するか、パワーを身につけるか、発揮するか
なので挙上距離を短くしたりする様々なテクニックがあります
スクワット
通常は僧帽筋の上にバーベルを担ぎますがパワーリフティングは三角筋後部の真ん中くらいに担ぎます。 こうする事により背中を起こす力が高まるため不安定さが減り、より思い負荷を扱うことができる。 ルール上ではハムストリングスが地面と平行以下まで膝を屈曲させないと失格になる。普通はフルスクワット近くまで下ろすと腰や膝への負担が大きい、刺激が逃げるので敬遠するトレーニーが多いが一説によると途中(パラレル)でとめる方が膝関節への負担は大きいそうだ 腰への負担だがフルスクワットする場合上体を前傾する必要がある。上体を前傾させても腹筋に力を入れていれば腰への負担は思うほど大きくない 多くの場合、元々のスタートで腰が反り返ったポジションを取っていたりフルスクワットまでしゃがむと立ち上がろうとして顔をあげてしまうが為に腰に負担をかけたフォームになっているケースが多い(私がそうだった)。ただ背中まるめちゃダメよ 実際自分はパラレルのほうがきつい。ビルダーのトレーニングならそのほうが刺激があっていいかもしれないがパワーにおいては筋力を身につける事を重きに置くので練習もフルスクワットです。
ベンチプレス
全員ではないが多くの場合挙上距離を短くするためにグリップを広めに取る。
ブリッジ アーチとも言うが腰を反らせてお腹と胸の位置を押し上げるテクニック
これにより挙上距離がさらに短くなる
これは通常のトレーニングにおいてはベンチプレスの一番負荷がかかる所を短くすることも意味する。また、使う筋肉も広背筋も少し使うことができ、三角筋、上腕三頭筋、の使う時間も短くなるため、筋肉量UPには適さない。リフターも通常練習ではフォームを分ける事も多い
体が柔らかい選手がブリッジしてるとバーがほとんど動いていないように見えるくらいである
ちなみに臀部が浮くと失格になる。一般トレーニーでもとんでもなくブリッジ作ってベンチしている人を見かけるが怪我の可能性がある上に負荷が弱ってるかもなので要注意
デッドリフト
日本人はスモウスタイルデッドリフトを好む
足が短く手が長い為、足を広げることで挙上距離を非常に短くできる事と広背筋と下半身も使う事ができるからとされる
欧米人は脊柱起立筋が元々非常に強いので通常のスタイル(スモウと分けてヨーロピアンと呼ぶ)を使う選手も多い
バーを握るとき交互に持つ事でグリップ力がアップする
★どこでやればいいの
一般的なスポーツクラブなら大抵ベンチプレスはできるでしょうが最近はないところもあります。
バーベルスクワットをする為のパワーラックですがこれは置いてるところが少なくなってきています。キレイなフィットネスクラブなんかはほぼないです。
デッドリフト・・・デッドリフト専用のプラットフォームがあれば100点ですがオオサンショウウオ並みに希少種です。なので大体パワーラックで自分で用意するのですが地面にバーベルを置くのはかなりの手間です。下手すると禁止しているところもあります
おいおいやりたくても練習できないじゃないか
そうなんです。パワーリフティングをまともに練習できる所は限られています。
国内でもっとも有名なのは世界チャンピオンを多数有するノーリミッツというジムです
あなたの近くにきっとあるでしょう。そんなジムが!(投げやり)
ちなみに天下のゴールドジムでもたまにプラットフォームがなかったりします。あら不思議
なければ買えばいいのです。広い土地と50万くらいあればあら不思議、自宅が立派なジムに!
★どんなサプリメントを?
普通のトレーニーと一緒だと思います
ただウェイトゲイン系のプロテインは摂らないでしょう。
ホエイプロテイン、クレアチン、BCAA、グルタミン、ムサシのクアン
といったところでしょうか
★最後に
ただ・・・・パワーだけをやることで身につくものは多少偏ってることも事実です
柔軟性に欠けていたり、走れなかったりします。(でも私の師匠はすごい身体能力です)
体を自分の支配下に置き、機能的動けるようにする事はとても重要です
柔軟体操や他のスポーツ、ランニングなど様々なものにチャレンジしましょう
そうする事で「老い」とは無縁の人生を送ることができるでしょう
とまぁ長々とメモ代わりに書いてみました
間違っている部分とかあるかもですがご容赦を
参考文献 目で見る筋力トレーニング解剖学 フレデリック・ドラヴィエ アイアンマン mixiアプリ シリアスダイエット
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